島根 ・鳥取・岡山の旅 2017.05.13~05.21


 家内が仕事を辞めるというので二台の車を維持するのは無駄だと思い1台にしたのだが、職場に説得されて退社できずに働き続けている。と言う訳で昨年は長期の旅が出来なかった。そこに丁度よい軽の中古の出物を発見したのだ。即購入を決断していた。軽を妻に預けての旅である。今年はボンヤリと目的地のイメージを描いていた。出雲大社を中心とする、今は山陰とは言わないそうだが中国地方の日本海側を考えていた。まず、出雲大社をお参りした後、松江、境港、大山、蒜山高原を巡って来ようと考えた。その土地々々で手頃な山を散策し、安全な自転車道をみつけて走ろうというわけだ。期間は週末出発、翌週末に戻るというもの。と言うのも自治会のボランティアがあるのだ。本来は2週間位の旅としたいのだが、これまで何もしていなかったから、恩返しという積もりで、まあ仕方がない。まずは大雑把な計画を建てて、当地の天気予報を見続け、1週間の予報によってこの日程が出来上がった。少々急だったので、忘れ物など注意したつもりだったが、肝心の炊事道具、山歩き用ストック、ベルトを忘れた。



自宅から国道4号、五霞ICを経て圏央道、海老名を抜けて東名、名阪、中国道、米子道を経て出雲市に至る約890kmのドライブとなる。実際は往復2,174kmとなった。


 1週間を超える長旅は久し振り。京都から山口の日本海側は行ったことがなかったので、出雲大社、出雲路自転車道から安来の足立美術館、松江城、ゲゲゲの鬼太郎の境港市、大山の登山、そして岡山県の蒜山高原自転車道と土曜日から翌週日曜の朝までの9日間の計画とした。本来なら砂丘や津和野まで足を伸ばしたかったが、最近週末は自治会の会議が忙しいので、やむを得なかった。彼の地の1週間の予報がまずまずだったので、土曜日2回の会議を済ませた後、急遽出発することに。高速は深夜割引で走ることにしているが、眠くなったら眠るをモットーにしているので、いつも通りの夕刻の出発だ。5月13日。

  この8日間の旅のDigibookを各日記の最後に紹介しました。記録として残しておこうとバシャバシャと撮った写真ばかりなので少々面白味には欠けるのと思うのだが、ご容赦を。無論芸術的なものはない。下段の写真とかぶっているものもあります。

 

5月14日(日)

10時過ぎ出雲市の道の駅「大社ご縁の広場」に着く。朝食を摂った後、道の駅の展示物を鑑賞して、参道から参拝に向かう。日曜日でもあり、観光客は沢山。大社はもう少し大きいものかと思っていたが、思いの外小さかった。それに海や山にこれ程近いとは思いもしなかった。その後古代歴史博物館で出雲風土記や神話、大社の歴史などを今更ながら学習した。夕刻は稲佐の浜を散策したり、フラフラと町中を散歩した。後で知ったことだが、意外に町中に日帰り温泉が沢山あった。湯煎のカレーやご飯なども買い込んでいたのに、大事なコンロを忘れてしまったので、コンビニのおつまみにするしかない。飲んでしまってはお風呂にも行けないので、まずはサッパリしてから食事にありついた。まあ、ビールとワインで最初の晩はよく眠れた。

 

 

515日(月)

天気は良かったのだが、風が凄い。向かい風の自転車は嫌だなあ。と思いつつ地図などで確認すると、往路はほぼ追い風、復路は向かい風だが、帰りは全国で数少ない自転車をそのまま載せられる鉄道に乗って帰ってくることにした。全くの追い風でとても楽しいサイクリングだった。松江市までの丁度中間点である一畑口(いちばたぐち)は、平地なのにスイッチバックのある駅で、中井貴一のRailwayを撮影したところだったり、水木しげるが土地のおばあさんに妖怪話を聞くために通ったところだったりとか、神々がお酒を造って(日本の醸造発祥の地だそう)宴会をした神社とかいろいろ面白い話のある街でした。帰ってから参道のお店でご縁のない娘たちに良縁を期待した勾玉を土産に数だけ買い、宍道湖の北側を走って松江に向かった。閉門間近の国宝松江城を散策してから小泉八雲館にも興味があったがすでに仕舞っていた。ホテルの大浴場でひとり日帰り温泉を楽しみ、まだ2日目なのに日本海の魚と地元の大吟醸とで贅沢して舌鼓。旨かった。

 

 

516日(火)

今日は足立美術館と鬼太郎の街境港市の予定。美術館開館の9:00に合わせてホテル駐車場を出発し、開館時間前に着いた。すでに中国人、ドイツ人の観光バスや多くの乗用車も並んでいて、入門が許されていた。流石に立派だ。でももっと広大な敷地を期待したが、あそこまでが限界だろうなと言うことは判る。あれだけの手入れをこれ以上の面積に施すのは人手も掛かるし、お金も掛かる。庭園のほかに横山大観のコレクションのほか近代絵画、彫刻、焼き物など多くの美術品の展示もあったから

2,300円は仕方のないところだ。館内を二廻りして境港市に向かう。

さて、水木しげるロード。熱心なファンではなかったが、通りの妖怪ブロンズには興味があった。全部をカメラに収めた積もりだったが漏れが幾つかあった。港町の海鮮丼を食したが、品のある盛り付けだったし、これはホントに旨かった。今日は2件の散策で16,854歩。よく歩いたものだ。明日は伯耆富士大山の登山予定。麓の豪円湯院で温泉に入り、明日の準備をする。

 

5月17日(水)

もっと早く出発の予定だったが、この4日間の疲れが出る頃なのか起きれなかった。出発は8:20。久し振りの山歩きなので、歩き出しの汗はやむを得ないとして、春の花を愛でつつ登って行くうちに、シャツは絞る前の雑巾のよう。それに後からの登山者に次々と追い抜かれる。う~ん、大分衰えて来たな。六合目辺りでもうヘトヘト。辞めようかな?が頭をよぎった。その時休憩する私の目と鼻の先の枝にちっちゃな小鳥が、止まって何やらチュンチュンと鳴いている。10秒くらいはいただろうか。こんな間近に野生の生き物が寄って来たことは初めてで、感動的だった。帰って調べたらヒガラという鳥らしい。励まされた気がして登り続けたが、頂上辺りでもう限界の感じ。帰りに足でも挫いたら大変なので、注意深く黙々と下ってきた。何と17:10着。休憩を加えたコースタイムの二倍以上を費やしたが、何とか安全に降りてこられた。最初から急峻な登りの続く大山の事前準備が足りなかったと反省させられた。明日予定の蒜山高原まで行ってしまおうと暗くなりかけの米子道に入った。

国立公園内とはいえ、田舎の行楽地、もう真っ暗、コンビニでビール、ワイン、おかずを買って、まずはお風呂と予定の日帰り温泉に行くと定休日の看板。アチャー。仕方なく、道の駅駐車場に車を止めた。なんと「ゆ」の暖簾が建物の2階に見えた。ダメ元で言ってみよう。もう8時過ぎだ。時間は過ぎたが、入れてくれるという。ここも大浴場にひとりだけ。1日の汗と疲れを洗い流した。

 

 

518日(木)

快晴、無風に近い素晴らしいパーフェクトな天気だ。蒜山高原自転車道約30kmを走る。昨日の山で太ももはパンパン、歩くにも困る位だったが、筋肉痛をほぐせそう。ペダルを漕ぐには支障がない。矢張り自転車は楽だし快適だ。今日のような空のもとでのサイクリングは滅多に出来ない。素晴らしかった。ホテルの駐車場でおばさんに後から声を掛けられた。「栃木県から来とんの?」に振り返ると,真っ白は髭を観て「あらバリバリのお兄さんと思うた。」と驚かれた。当日は恰好だけは若いお兄さんと同じように決め込んでいたのだ。道中の素晴らしさは、文末にアップする写真集を見て欲しい。13:30に休暇村ホテルの日帰り温泉に飛び込んでサッパリし、午後からはロビーのWi-Fi環境で情報収集と記録取り纏めで半日停滞を決め込み休養とした。そして夜の星空がまた素晴らしかった。残念だったのは思い通りにカメラに収められなかったことだ。

 

 

519日(金)

本来の計画では、上中下の蒜山の何れかを登るつもりでいたのだが、この足では無理だ。まだパンパンなのだ。あと2日間どうしたら良いか。いろいろ考えた。ひとつ心配なのは名神、東名のリフレッシュ工事だ。日曜の朝までには帰らねばならない。週末の渋滞に巻き込まれて、遅れることがあっては拙い。と言う訳で、早めに名古屋までは通り過ぎていたい。そうだ浜名湖自転車道がある。ゆっくりしたければ伊豆も箱根もある。まず浜名湖まで行ってみよう。とこの地方には早めに見切りを付けて出発することにした。走るうち浜名湖には学生時代の旧友がひとりリゾートマンションに住んでいる。連絡を取ると、昨日も明後日もダメだったが、今日,明日ならOK、来いよと歓迎してくれた。ここでも大風呂で汗を流し、2人で久し繰りに酒を酌み交わした。これまで聴くことの出来なかった苦労話も聞けて、楽しい夜を過ごした。

 

520日(土)

彼の手料理の朝食(アサリの味噌汁、鮭、漬け物、かまぼこに炊きたてのご飯)、1人分も二人分も同じという彼の言葉に甘えた。気が向くと浜名湖での釣り三昧、友達とのゴルフ、飲み会という彼のセレブな暮らしを垣間見る。食事の後は浜名湖をボートで案内してくれるという。ちっちゃな船だからと言うが、5人乗りのモーターボートで浜名湖を一周。これまた爽やかな湖の風を受けてのクルーズは楽しかった。これ以上の歓迎も申し訳ないので、ひとますお暇することに。三ヶ日ICから10分ほどの好立地にあり、以前同期会が行われたが、都合で行けなかったので、埋め合わせが出来た。

ICのゲートまで行ったが、まだ昼前。道中で見かけた直虎の宣伝看板。そうだ井伊谷に行ってみよう。現在の漫画のような大河も楽しんでいる。と言う訳でゆかりの地を何軒か訪れて帰途についた。矢張り8日間の旅は疲れもする。SAで寝込み、気づいたら4時間も寝ていたということもあり、自宅に着いたのは日曜日の午前3時過ぎ。ひと風呂浴びてまた眠った。

で、9:30の会議にも無事出席出来た。家内にとっても五月蠅い亭主がいなくなる一週間は少しは気晴らしになったのではないか。 


YouTube 動画

 旅の全体を眺められる工程順の写真、動画を一本の映像に纏めました。

 ゲゲゲの鬼太郎モニュメントが境港市に溢れてました。妖怪ロードを散策しながら余すところなく捉えました。


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